どーも!Nyaoです!資産運用会社でアナリストやってました!
今回は今話題のサハリン2問題について
初心者にもわかるように簡単解説していきます!
これを知ってぜひご友人にドヤ顔で教えてあげてくださいね!
それでは参りましょう♪
【Nyaoのプロフィール】 ・資産運用会社、投資ファンドでアナリスト経験5年。FX歴12年。 ・証券アナリスト資格有。京都大学工学部卒。 ・"超わかりやすいファンダメンタルズ解説” を目指して2021年よりSNS配信開始。 →詳細:「【自己紹介】Nyaoって何者?投資ファンドで働いてたってほんと?」
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ざっくりとどういう問題?
ロシアのサハリンって場所(下図)での天然ガス・石油開発プロジェクトの中のもめ事のこと。
誰と誰がもめてるのか?その背景は?
もめてるのは、このプロジェクトに出資した企業とロシア政府。
順を追って解説していきますね。
元々、このプロジェクトが始まったのはロシアがまだソ連だった頃。
1991年、ソ連政府が入札形式で開発者を募った。
「だれかこの開発したいひとー?」って感じで参加者を募って、
一番開発のお値段が安くて信頼できる事業者を政府が選ぶ感じ。
この入札で選ばれたのが
ロイヤルダッチシェル・三井物産・三菱商事の連合軍。
(国主催の大規模工事の入札なんかでは何社かが連動組んで入札するケースが多い)
この3社がそれぞれ出資しあって、このプロジェクト専用の会社を一つ作った。
それがサハリン・エナジー社。
当時の出資比率はシェル:55%、三井物産:25%、三菱商事:20%。
【あわせてチェック!】 「出資・融資って何?違いは?それぞれのメリット・デメリットを簡単解説!」
ほんでこのサハリン・エナジー社とロシアの間で生産物分与協定を結んだ。
ここまでの状況を図に整理するとこんな感じ。
サハリン・エナジー社が採取した天然ガスを電力・ガス会社とかに売って得たお金を
出資者であるこの三社に配当金みたいな形で渡していくイメージですな。
【あわせてチェック!】
「出資・融資って何?違いは?それぞれのメリット・デメリットを簡単解説!」
ここでロシア政府全然儲からんくない?って思ったひとは勘が鋭いお方
この仕組みの説明もここで解説してるんでご参考まで。
開発途中で問題発生!
開発が8割ほど進んだ2006年9月、
ロシア政府(天然資源省)がこの開発の工事承認を取り消した。
表向きの理由は、この工事がロシア国内の環境アセスに合致していないというもの。
簡単に言えば・・・
「このプロジェクトは環境を破壊している!だから工事続けちゃダメ!」みたいなことを
政府が言ってきて工事が無理矢理止められた形。
(いや、あんたら政府が入札募集したプロジェクトやんけ・・)
本音の理由は、さっきの生産物分与協定にあると言われる。
要はもっとロシア政府が儲かるように配慮せんかいってこと・・・
その証拠に、サハリン・エナジーへの出資者にガスプロム社(ロシア政府の息がかかりまくった国有のガス会社)を加えたらすぐ解決した。
結果的に出資比率はこんな感じに。
こうしておくと、
このプロジェクトで採れた天然ガスを売って得たお金をサハリン・エナジー社が蓄えていけば、
出資者に分配する際にガスプロム社を経由して、
ロシア政府にお金がちゃりんちゃりん入ってくる。
これで一旦解決。
(ちなみにこの時、ロシアはやべえ国って認識が世間に広がった)
ウクライナ紛争勃発で再度問題に!
平和もつかの間。
2022年にウクライナ紛争が始まって欧米諸国がロシアに対して経済制裁を科すようになると、
ロシア側も報復制裁を行うようになった。
この流れを警戒していち早く出資者から抜けようとしたのはシェル。
2022年2末にサハリン2を含むすべてのロシア事業から撤退を表明。
(出資持分はインド企業に売却予定とのこと)
残されたのは三井物産と三菱商事。
そうこうしてるうちにプーチン大統領がとんでもないプレゼントをかましてくれることに・・
大統領令でちゃぶ台返し!?
2022年6/30報道「サハリン2の全ての決定権を持つ運営会社をロシア政府が新たに設立する」
この内容の大統領令にプーチン氏が署名。
簡単にいうと・・
「出資者であるシェルと日本企業(ロシアに逆らう国の企業)にはご退場願おう」って感じ。
しかも無償で。
こんなん無茶苦茶。
今まで開発に投じたお金どないすんねん・・・
やけどこれこそロシア政府。
日本もウクライナ紛争においては欧米諸国と同様のスタンス表明してるんで
当然といえば当然の結果ですな・・
マーケットへの影響は?
非常にシンプルに解説するなら、
マーケットに存在する天然ガスや原油の量が減り、需給ひっ迫要因。
当然価格は高騰。
また、このサハリン2にめっちゃ依存してた日本企業(主に電力・ガス会社)も
価格高騰で大ダメージ。
国ベースでみても経常収支の悪化
ということは日本円は売られる運命ですね。
→経常収支悪化なら円売りの解説動画はこちらから。
また代替燃料として原油価格も高騰しますし、
それを背景としたオセアニア通貨など資源国通貨も買い支えられることになりそうですね。
→資源価格とオセアニア通貨の関係を解説した動画はこちら。
まとめ
はい!ということで本日の内容は以上です。
サハリン2問題やその結果マーケットがどうなりそうか?について
簡単にご理解いただけたのではないでしょうか?
ということで、、
この記事をご覧になった方は
ぜひぜひお待ちしております(結局最後は宣伝かいっw)
ってなわけで、それではまたお会いしましょう♪
See You(‘ω’)
文責:Nyao
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