どーも!Nyaoです!資産運用会社でアナリストやってました!
7/21開催のECB政策理事会。
今回はその内容と理事会終了後のラガルド総裁発言のポイント、
そこから見える今後のトレード戦略について、
初心者にもわかるように簡単解説していきます!
これを知ってぜひご友人にドヤ顔で教えてあげてくださいね!
それでは参りましょう♪
【Nyaoのプロフィール】 ・資産運用会社、投資ファンドでアナリスト経験5年。FX歴12年。 ・証券アナリスト資格有。京都大学工学部卒。 ・"超わかりやすいファンダメンタルズ解説” を目指して2021年よりSNS配信開始。 →詳細:「【自己紹介】Nyaoって何者?投資ファンドで働いてたってほんと?」
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まずは当初の想定のおさらいから
22′ 7/21開催のECB理事会について、開催前の想定内容はこの動画で解説した通り。
この想定内容に対し、実際はどのような結果となったのか?
振り返っていきましょう。
7/21開催のECB理事会のポイントは?
7月利上げ幅を+0.25%予想を上回る+0.50%に。
最初の注目点は7月の利上げ幅。
何がサプライズだったかというと、前回の理事会時に
ラガルド総裁自身が7月は+0.25%だろうという見解を示していたこと
(厳密にはフォワードガイダンスという形で提示していた)
「言うてたこととちゃうがな!」ということで公表後に一気にユーロが買われる展開に。
9月以降の利上げ見通しは明らかにならず・・
7月の利上げ幅でサプライズしておきながら、
9月以降の利上げ見通しについては明言せず。
→この動画のECB注目ポイント1つ目後半に対する回答はなし。
※この点は「今後のデータ次第」という魔法の言葉で乗り切ってます
そしてとどめはラガルド総裁この発言、
「政策金利の最終到達地点は変わっていない」
これを受けてユーロは失望売り。
欧州市場の分断化問題に対し、TPIの導入を決定
※この話はわからんかったら初心者さんは飛ばして読んで大丈夫です!
ECBメンバー内で当初意見が分かれていた7月+0.50%利上げ。
ハト派は主に欧州経済への悪影響を危惧して当初は反対していたと思われますが、
そのハト派を納得させる形で出てきたのがこのTPIなのでは?と推察されます。
【あわせて読みたい】
「TPIとは?欧州分断化問題とは?初心者の方にも分かりやすく簡単解説!」
(※準備中)
直近ではイタリアの政情不安(特にドラギ首相の退陣問題など)が問題視されており、
また、各国債券利回り差も顕著であることから、この結論になるのはある意味自然ですかね。
(TPIの規模によるけど・・・)
欧州圏の経済見通しと金融政策方針
ECBの金融政策を決定する背景となっている、
欧州圏の経済見通しについても見ていきましょう。
ざっくりまとめると
- 欧州経済は紛争とインフレのせいで減速気味やけど、
- コロナ自粛中にふんだんに貯めた貯金が火を噴いて個人消費を下支えしてる。
- 雇用環境が良好なんも、経済下支えの一つの要因。
(22年後半からは経済成長も鈍化しそうやけどね・・) - 一方でインフレがやばい。今すぐなんとかせなあかん。最優先!
- 欧州全体の金融政策は引き締めに向かうけど、国によって状況違うやろから、
(市場のおかしな動きに翻弄されてる国には)お金供給できるように
TPIって制度を新しく作ったで!これで耐えてくれ!
大体こんな感じ。
上の金融政策の方向性とも一致しますね!
かなりざっくりさせたんで、以下に詳細を掲載しておきます。
概要
「今後の会合で、金利をさらに正常化することが適切」
「今後、金融政策正常化を行う中で、TPIの設立が、金融政策の効果的な伝達を支援するために必要であると評価。」
→金融政策は正常化に向けて利上げを進めていく。TPIにはその政策の支援を期待。
経済活動
「欧州圏の経済活動は減速。ウクライナ関連が成長の足を引っ張っている。」
「供給のボトルネックの一部は緩和されつつある。」
「足元の経済活動はコロナからの復帰(自粛期間中の家計の貯蓄が源泉)、堅調な労働市場、財政政策などに支えられている」
インフレ
「6月のインフレ率(HICP)は上昇。+8.6%に。」
「インフレ率は高止まり。特に伸びているのはエネルギーと食品。主因はウクライナ。」(下図参照)
「インフレ率はしばらく高止まりすると予想。」
「高インフレはユーロ安にも起因。」
「しかし、エネルギーコストはいずれ安定し、供給のボトルネックは緩和されるはず。」
→この動画で気になっていたポイントの2つ目への答えにもなっています。
労働市場
「労働市場は依然として好調」
「失業率は5月に6.6%という歴史的低水準まで低下」(下図参照)
「賃金上昇率も、ここ数ヶ月は緩やかな上昇を継続。」
記者会見でのラガルド総裁の発言まとめ
それではECB会合後の記者会見におけるラガルド総裁発言を振り返っていきましょう。
「7月利上げ+0.50%、TPIの新設についてはECMメンバーは満場一致」
まずは利上げ周りから。
- 「9月の会合で0.25%を上回る利上げを行う可能性はある。」
- 「しかし、7月+0.50%利上げを決定したので、フォワードガイダンスの併用はできなくなった。」
- 「最終的な金利の着地点は変わらない」
→7月は予想を上回る利上げをしたが、利上げのゴールは変わらない。
ECBが全体的にタカ派化したわけではない。
足元のインフレを抑えるために前借りして強めに利上げしただけ。
→これを受けてタカ派化期待で買われていたユーロは一気に急落。
以下、TPIに関する発言。
- 「TPIはすべての加盟国に適用される」
→イタリアだけを対象とした制度ではないことを強調 - 「TPIの適格基準は『不当な、無秩序な市場の動き(unwarranted, disorderly market dynamics)を示すか否かの指標に基づいて判断』」
→TPIが適用できるかどうかの判断はECBの裁量による。評価基準の詳細は明示しない。
(※大まかな4つの軸については開示)
【あわせて読みたい】 「TPIとは?欧州分断化問題とは?初心者の方にも分かりやすく簡単解説!」 (※準備中)
まとめ
はい!ということで本日の内容は以上です。
7/21ECB理事会のポイントとその後のユーロの動向について
ざっくりと簡単にご理解いただけたのではないでしょうか?
(今回はだいぶ文字数多いけど・・)
ということで、、
この記事をご覧になった方は
ぜひぜひお待ちしております(結局最後は宣伝かいっw)
ってなわけで、それではまたお会いしましょう♪
See You(‘ω’)
文責:Nyao
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